人材不足が危惧されている特定産業分野と新たな在留資格「特定技能」について

人材不足が危惧されている特定産業分野と新たな在留資格「特定技能」について

現在、多くの産業では深刻な人材不足に陥っています。

その要因として、少子高齢化による国内の労働人口減少が挙げられます。
さらに東京一極集中によって東京では人材が集まりやすくなり、製造業を中心とした企業は郊外に工場を設けるため、一層人材の確保が難しくなっています。

2019年4月、日本企業の人材確保を目的として、海外から人材を確保するための新たな在留資格「特定技能」が新設されました。これにより日本政府が指定した特定産業分野では、外国人の人材確保が可能になり、日本産業全体の活性化が期待できます。

本記事では、人材不足が危惧されている特定産業分野と新たな在留資格「特定技能」について、ご紹介していきます。

労働不足が危惧される特定産業分野

下記グラフは2019年から今後5年間に各分野において不足するとみられる人手の最大数をまとめたものです。

グラフをみると、多いものから順に1. 介護、2. 外食業、3. 建設、となっていることが分かります。

その総数は約345,000人と見られており、少子高齢化社会の進む日本では大変重要となる介護分野はもちろん、現在(2021年)は新型コロナ禍の営業規制等で大きな苦境に直面しているものの、今後「観光立国」を目指す日本経済にはなくてはならない外食業においても多くの人手不足が見込まれていることも頷けます。

今後5年間に各分野において不足するとみられれる人手の最大数
(出入国在留管理庁「新たな外国人材の受入及び共生社会実現に向けた取組」よりBOW社まとめ

新しい在留資格「特定技能」とは

2018年12月第197回臨時国会において「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し、2019年4月より新たな外国籍の方(外国人)の在留資格である「特定技能」が創設されました。

従来の在留資格とは異なり、高度な専門性や技能を有する必要がないことから、人材不足が深刻な産業分野での人材確保が期待されています。

在留資格は「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類があります。「特定技能2号」は「特定技能1号」を取得後に、「特定技能2号」へ切り替えになります。

また、「特定技能」では、人材不足であると定められた産業分野にて就労することができ、「特定技能1号」、「特定技能2号」それぞれに就労可能な分野が定められています。

特定技能の詳細については、別記事「特定技能外国人の採用で押さえておくポイント」にてご紹介しております。

特定産業分野の14業種とは

現在、「特定技能1号」の在留資格にて就労が認められる業種は現在14業種あります。

この14業種は「特定産業分野」と呼ばれており、少子高齢化社会が加速する日本において特に今後人材を確保することが困難になると見られている業種で、以下は特定産業分野とその業務内容になります。

  • 介護

身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴,食事, 排せつの介助等)のほか,これに付随する支援業務(レクリ エーションの実施,機能訓練の補助等)
(注)訪問系サービスは対象外

  • ビルクリーニング

建築物内部の清掃

  • 素形材産業

鋳造/鍛造/ダイカスト/機械加工/金属プレス加工/工場板金/めっき/アルミニウム 陽極酸化処理/仕上げ/機械検査/機械保全/塗装/溶接

  • 産業機械製造業

鋳造/鍛造/ダイカスト/機械加工//金属プレス加工/工場板金/めっき/アルミニウム 陽極酸化処理/仕上げ/機械加工/金属プレス加工/工場板金/めっき/仕上げ/機械保全
/電子機器組立て/電気機器組立て/プリント配線板製造
/プラスチック成形/塗装/溶接/工業包装/機械検査/機械保全/塗装/溶接

  • 電気・電子情報関連産業

機械加工/金属プレス加工/工場板金/めっき/仕上げ/機械保全/電子機器組立て/電気機器組立て/プリント配線板製造/プラスチック成形/塗装/溶接/工業包装

  • 建設

/型枠施工/左官/コンクリート圧送/トンネル推進工/建設機械施工/土工/屋根ふき/電気通信/鉄筋施工/鉄筋継手/内装仕上げ ・表装/とび/建築大工/配管/建築板金/保温保冷/吹付ウレタン断熱/海洋土木工

  • 造船・舶用工業

溶接/塗装/鉄工/仕上げ/機械加工/電気機器組立て

  • 自動車整備

自動車の日常点検整備,定期点検整備,分解整備

  • 航空

空港グランドハンドリング(地上走行支援業務,手荷物・貨物取扱業務等)/航空機整備(機体,装備品等の整備業務等)

  • 宿泊

フロント,企画・広報,接客,レストランサービス等の宿泊サービスの提供

  • 農業

耕種農業全般(栽培管理,農産物の集出荷・選別等)/畜産農業全般(飼養管理,畜産物の集出荷・選別等)

  • 漁業

漁業(漁具の製作・補修,水産動植物の探索,漁具・漁労/機械の操作,水産動植物の採捕,漁獲物の処理・保蔵,安全衛生の確保等)/養殖業(養殖資材の製作・補修・管理,養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理,安全衛生の確保等)

  • 飲食料製造業

飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工,安全衛生)

  • 外食業

外食業全般(飲食物調理,接客,店舗管理)

※「特定技能2号」では建設・ 造船・舶用工業の分野でのみ就労が可能です。

※特定産業分野の詳細については、「特定技能 ガイドブック – 法務省」を参照ください。

最後に

BOWではこの介護分野、外食業分野の企業様はもちろん、あらゆる業種における企業様の人手不足解消の一助となるよう、日々様々な国際人材ネットワークの拡大に務めております。是非、どんなご相談でも構いませんので弊社窓口までご連絡頂ければ幸いです。
今後BOWでは刻々と変化する主に外国籍の方(外国人)の受入れ制度に関する情報をいち早くキャッチし皆様と共有して参ります。

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